箱根ガラスの森美術館

2011年12月13日

収蔵作品のご紹介『ヴェネチアン』デイル・チフーリ

『ヴェネチアン』デイル・チフーリ

ヴェネチアン Venetian
1988年〜
デイル・チフーリ Dale Chihuly

1920年代のアール・デコのガラスに触発されたチフーリがヴェネチアン・グラスの巨匠リノ・タリアピエトラの協力を得て制作したシリーズ。チフーリが作品のイメージをドローイングで表現し、それをタリアピエトラがガラスで再現するという共同作業によって制作されました。シンメトリカルな形のまわりに花や葉といった植物的モチーフを配した作品で、チフーリのそれまでの流動的なものから、洗練された静的なものへと展開する新しいスタイルの確立が見られます。1989年にはこのシリーズをもとに「イケバナ」というシリーズが生まれました。日本の伝統的な生け花にインスピレーションを受けたチフーリは、ヴェネチアンを花器に見立て、切り花のような細長いガラスの茎を生けています。日本的な静けさを漂わせる作品です。



デイル・チフーリ Dale Chihuly
1941年 ワシントン州 タコマ生まれ ワシントン大学在学中にガラスと出会い、ヴェネチアン・グラスの伝統に強い影響を受ける。1992年にはアメリカ発の人間国宝に認定。生命力にあふれるのびやかなフォルムと鮮やかな色彩が印象的なガラスの世界において一つの将来性をみいだしている。


http://www.ciao3.com/museum/modern_glass/dale_chihuly/

posted by 箱根ガラスの森美術館 at 10:28 | TrackBack(0) | 美術館収蔵作品のご紹介