化粧シーン陶彫像
1760年|ドイツ|ルードヴィッヒスブルグ窯
18世紀に流行した衣裳に身を包んだ男女の陶彫像。肌を白く仕上げた貴婦人が、貴族の男性が右手に抱えた鏡に映る自分の姿に見入る様子が表されている。往時の華やかな宮廷生活が感じられる、ルードヴィッヒスブルグ窯の作品である。ドイツのヴュルテンベルク王国のカール・オイゲン公によって設立されたルードヴィッヒスブルグ窯は、1756年から1824年まで続いた窯で、作品の底の部分には王冠とCとCを交差したマークがある。この作品のように人間や神、動物の姿をかたどった彫像をフィギュリンといい、晩餐会の食卓を飾る食卓装飾品として、18世紀ヨーロッパの貴族を魅了した。
2015年特別企画展:魅惑の香水瓶 ─貴族が愛した香りの芸術─