円形切子装飾碗
(6世紀頃)
ササン朝ペルシャ時代に制作されたと考えられるガラス碗。周囲に合計32個の円文切子装飾が施されている。ササン朝ペルシャのガラス器は、初期には切子による円文装飾が施され、やがて熔着装飾による円文装飾が施されるようになる。ササン朝ペルシャのガラス器で有名な類例は、シルクロードを渡り正倉院に収められた白瑠璃碗や紺瑠璃坏、第4回十字軍遠征によりコンスタンティノポリスから奪取され、ヴェネチアのサン・マルコ寺院に収められた作品群が有名である。
2017年特別企画展 ─ヴェネチアン・グラス二千年の旅展─