船形水差
19世紀|ヴェネチア
19世紀に制作された、ラッパ型の脚台に帆船型の坏身と、注ぎ口が船首に付けられた水差。
網目状の帆が付けられ、帆の頂には貿易の自由と海の優越性を象徴するイルカが装飾されている。金属製のカトラリー入れ(nef)の形に由来する船形水差は、ネフ・ユーアー(nef ewer)と呼ばれ、宴席の装飾として用いられたと考えられる。
イルカの胴体やバルーン状の装飾等には、ガラスの原料に金属粉を入れて熔融し、その金属の微粒子が光を反射して砂金の様に輝くアヴェンチュリン・グラスが用いられている。
「‐華麗なるヴェネチアン・グラス‐ 祝宴の器展」 展覧会図録
B6版 96項 1600円(税込)
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