箱根ガラスの森美術館

2015年05月19日

展示作品のご紹介:三つ口香水瓶

展示作品のご紹介:三つ口香水瓶
三つ口香水瓶
18世紀後半|ロシア

ロシア皇帝エカテリーナ2世(在位1762〜1796)のために作られたこの豪華絢爛たる三つ口の黄金瑪瑙製の香水瓶には、中央部分の七宝帯文中に、謎めいた銘文が記入されている。「VOTREAMITTE ‘FAIT MA SEULFELICITE(あなたの愛は、私だけの至福を生む)」という銘文。「あなたと私」とは一体誰であったのだろうか。エカテリーナ2世の夫は、歴史上、かの有名なピョートル大帝(在位1682〜1725)の孫ピョートル3世(1728〜1762=暗殺される)であった。本来ならば帝位を継ぐべき筈であった夫が暗殺に遭い、その夫に代わって帝位についたエカテリーナ2世に、ピョートル3世が生前に贈った祝福の香水瓶であったのではなかっただろうか。三つの香水瓶を合わせて一体に作った三つ口香水瓶のそれぞれに、エカテリーナ2世の愛した香水が、ピョートル3世の愛とともに一杯注がれたにちがいない。



posted by 箱根ガラスの森美術館 at 13:36 | TrackBack(0) | 美術館・企画展
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