箱根ガラスの森美術館

2021年02月23日

収蔵作品のご紹介:CONTADINO(農夫)

収蔵作品のご紹介:CONTADINO(農夫)
CONTADINO(農夫)
(1954年|Mマルク・シャガール デザイン/エジディオ・コスタンティーニ作)

E.コスタンチーニが、1950年代中頃より、ヨーロッパの巨匠たちに呼びかけて、ガラス彫刻の制作を行ったうちの1点で、「風景」シリーズの「CONTADINO」である。シャガールのデッサンに基づいて、コスタンチーニが、技法やどの色のガラスを使用するか等を決め、シャガールの絵画的特質を生かした透明感のあるガラス作品として制作している。デザインに基づいて、鋳型を作り、その上に色ガラスパウダーで着彩して、熔解ガラスを流し込むというキャスティング技法によって、レリーフ平板状の作品として完成させている。また、サインには、この企画を推進したフチーナ・デリ・アンジェリ画廊のサインと、E.コスタンチーニのサインが入れられているのが、マルク・シャガールのサインはない。

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2021年02月20日

収蔵作品のご紹介:菊

収蔵作品のご紹介:菊
(1960年|ヴェネチア|フラテッリ・トーゾ工房作)

花芯に、赤、黄、青、緑、黒などを使った菊花文様の断面を持つモザイク・グラスを並べて板状に熔かし合わせ、それを無色のガラス棒の周りに巻きつけて、再加熱し、花器に仕上げる。さらに外側全体に研磨仕上げを施す。ローマ時代のミルフィオリ・グラスを現代的に処理した技法で作られている。文様を整然と仕上げていくためには、名人芸的な技巧を要する難しい技法である。1960年代に、フラテッリ・トーゾ工房が手がけたミルフイオリ・グラスの代表作である。

収蔵作品のご紹介:菊

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2021年02月01日

収蔵作品のご紹介:花装飾脚オパールセント・グラス・ゴブレット

収蔵作品のご紹介:花装飾脚オパールセント・グラス・ゴブレット
花装飾脚オパールセント・グラス・ゴブレット
(1880年頃|ヴェネチア|サルヴィアーティ工房)

ステム(脚部)の装飾が特徴である大型ゴブレット。脚部は、縦モールの入った円環の内側と外側にひれ飾りが施され、その中心部には白い花の装飾が熔着されている。坏身や脚台部は青みをおびた半透明乳白色のガラスを使い、幻想的な美しさをもつ作品に仕上げられている。これはヴェネチアン・グラスの伝統を踏襲しつつ、 新しい時代に合ったデザインを取り入れることによって、19世紀後半に大きな人気を博したサルヴィアーティ工房の典型的な作例である。ステムに施された過剰ともいえる装飾が、この作品の受け入れられた時代の美意識を物語っている。

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2021年01月31日

収蔵作品のご紹介:FAZZOLETTO(ハンカチ)

収蔵作品のご紹介:FAZZOLETTO(ハンカチ)
FAZZOLETTO(ハンカチ)
(1950年頃|ヴェネチア|パオロ・ヴェニーニ デザイン|フルヴィオ・ビアンコーニ作)

第2次世界大戦後、ヴェニーニのFazzoletto (ハンカチ)グラスとして名を馳せたガラス作品で、パオロ・ヴェニーニとフルヴィオ・ビアンコーニの合作したデザインと技法によるヴェニーニ社の代表的作品である。2種類のレース棒同士を熔着させ、それをポンテ竿で巻き取り、筒状のレース・グラスを作り円盤状に拡げ、下向きにすると、ハンカチの中央を持って吊り下げたようなひだの付いたレース・グラスの鉢が出来上がる。レース棒の種類を変えることによって異なったレース・デザインの作品を作ることができる。ヴェネチアン・グラスの伝統であるレース・グラスの現代的展開として一般に高く評価された。

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2021年01月26日

収蔵作品のご紹介:テッセレ・アンブラ(琥珀を織る)

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テッセレ・アンブラ(琥珀を織る)
(1962年|ヴェネチア|エルコレ・バロヴィエール作)

平板状に引いた縞目のモザイク棒を適当な長さに切断して、市松状に並べて熔着させ、方形のモザイク板に作ったものを、ポンテ棒で巻き取り、全体を均一にならして成形したもの。モザイク状に並べたものを、隙間なく熔着するのは極めて難しい技術である。このモザイク・グラスが発表された時、世界のガラス界からは、ヴェネチアの新しい技法の展開として、注目された。この技法が、吹きガラスの世界に新しい1頁を拓いた意義は大きく、これ以降の現代の吹きガラス部門に、いろいろなかたちで影響を与えてきた。

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2021年01月22日

収蔵作品のご紹介:ア・ステレ(星文)

収蔵作品のご紹介:ア・ステレ(星文)
ア・ステレ(星文)
(1942年|ヴェネチア|バロヴィエール&トーゾ社、デザイン:エルコレ・バロヴィエール)

エルコレ・バロヴィエールが、1940年代にシリーズとして発表した「ア・ステレ」の代表作。無色のクリスタル・グラスの大きな花器に、熔着装飾で星文を表現し、その背景に小さな凹面カットを一面に施し、レンズ効果で星文が見えるようになっている。新しいガラス造形への過渡的な時期の作例である。

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2021年01月21日

収蔵作品のご紹介:モザイク・グラス『雄鶏』

収蔵作品のご紹介:モザイク・グラス『雄鶏』
モザイク・グラス『雄鶏』
(20世紀初|ヴェネチア|ウルデリコ・モレッティ作)

古代ヘレニズム時代からローマ時代のモザイク・グラス類の複製に力を注いだ初代のヴィンチェンツォ・モレッティに続いて、二代目のルイジ・モレッティは、その事業を継承発展させたが、三代目ウルデリコ・モレッティは、新しい創作を打ち出した。とりわけ、彼のヒット作となったのは、モザイク・グラス「雄鶏」シリーズであった。彼がこの作品を作るようになった動機は、1923年に、ムラノ島がヴェネチア市に吸収合併された時に、ムラノ島の象徴であった雄鶏を、モザイク・グラスで制作し、バッジやペンダントに作って、すべてのムラノ島の人がそれを付けて、ムラノ島人の誇りを示す流行を生み出したことであった。このとき、ムラノ島の人たちは、ヴェネチアの象徴として、サン・マルコ広場のパラッツォ・ドゥカーレの前に立つ2本の円柱の上に設置されていた有翼獅子像を取り外して、海中に投棄して気勢をあげたといわれている。『雄鶏』はムラノ島の人たちの高い誇りの象徴として作られたのであった。

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2021年01月20日

収蔵作品のご紹介:ミルフィオリ・レース双耳瓶

収蔵作品のご紹介:ミルフィオリ・レース双耳瓶
ミルフィオリ・レース双耳瓶
(1915年頃|ヴェネチア|エルコレ・バロヴィエール作)

ムラノ島の名門バロヴィエール一族は500年の伝統を伝えるガラス職人一家で、エルコレ・バロヴィエールは、20世紀初めに活躍した生え抜きのガラス作家であった。ヴェネチアン・グラスの中で、最も難しいレース・グラスとミルフィオリ・グラスの技法を併用して制作した作品で、いわばバロヴィエール一族の名誉をかけて作ったような作品である。通常、ミルフィオリ・グラスとレース・グラスを合わせることは不可能であり、敢えてそれを行った点に、この作品の実験的な価値がある。

収蔵作品のご紹介:ミルフィオリ・レース双耳瓶

収蔵作品のご紹介:ミルフィオリ・レース双耳瓶

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2021年01月19日

収蔵作品のご紹介:風にそよぐグラス

風にそよぐグラス
風にそよぐグラス
(1895年|ヴェネチア|ジュゼッペ・バロヴィエール作)

淡いピンク色のガラスで極めて薄く吹き上げられた坏身は、折れてしまいそうな程細いステム(脚部)によって支えられている。しかし、そのステムは直線的ではなく、曲がりくねっているため、 わずかな風にもゆらゆらと揺れ動く。ジュゼッペ・パロヴィエールを中心に結成された「芸術家集団バロヴィエール」によって実験的に作られたグラスで、19世紀末、ヨーロッパで大流行したアール・ヌーヴォー様式が初めてヴェネチアン・グラスに取り入れられている。1895年に開催された第1回ヴェネチア・ビエンナーレに出品され、ガラス工芸の常識を破る驚異の技術を駆使した奇蹟のグラスとして世界中から大きな注目を集めた。



風にそよぐグラス

風にそよぐグラス

風にそよぐグラス


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2021年01月18日

収蔵作品のご紹介:わらび形脚コンポート

収蔵作品のご紹介:わらび形脚コンポート
わらび形脚コンポート
(19世紀|ヴェネチア)

坏身部は青みをおびた乳白色ガラスを使い、その口縁部は広く、下方へと広がっている。縦モールの入った2本のガラスをねじった脚部にはピンク色のガラスに金彩を施し、その中央部には花の装飾が熔着されている。脚部から左右に伸びる先端は、わらびのような草花をモチーフにした装飾が付けられ、春の訪れを感じさせる優しい色合いのコンポートに仕上がっている。

収蔵作品のご紹介:わらび形脚コンポート

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2021年01月16日

収蔵作品のご紹介:ミルフィオリ・グラス・ランプ

収蔵作品のご紹介:ミルフィオリ・グラス・ランプ
ミルフィオリ・グラス・ランプ
(1910年頃|ヴェネチア|フラテッリ・トーゾ工房)

様々なミルフィオリ・グラスを使い作られたランプで、ランプシェード、台がガラスでできている。台とランプシェードは、金具でつなげられ、その金具に電球のソケットがつけられている。モザイク・グラスは古代から使われていた技法であるが、古代は型の中にモザイク・グラス片を敷き詰め、加熱して制作していたのに対し、近代はモザイク・グラス片を一枚の板状に熔着した後、少量のガラス種に巻きとって、成形する。この作品は後者の製法で作られており、透明ガラスとミルフィオリ・グラスの二層になっている。

収蔵作品のご紹介:ミルフィオリ・グラス・ランプ

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2021年01月15日

収蔵作品のご紹介:白鳥装飾花形花器

収蔵作品のご紹介:白鳥装飾花形花器
白鳥装飾花形花器
(19世紀|ヴェネチア)

水が細く流れ出るように伸びる坏身の造形美と、青みをおびた半透明乳白色で作られた白鳥の透明感が調和した美しい花器に仕上げられている。この半透明乳白色は、オパールのような光を放つガラスという意味でオパールセント・グラスと呼ばれ、乳白色より透明度が高く、角度によって微妙に色が変化する。

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2021年01月14日

収蔵作品のご紹介:ミルフィオリ・グラス皿

収蔵作品のご紹介:ミルフィオリ・グラス皿
ミルフィオリ・グラス皿
(1880年|ヴェネチア)

このモザイク・グラス皿は、南イタリア、カノッサの紀元前3世紀の墓より、カット・グラス皿や美しい双身坏ゴールド・サンドウィッチ・グラスなどとともに出土した名品の1点を、模作したものである。菊花文のモザイク・グラスの素地の所々に、金箔サンドウィッチの断片を配置して熔融しており、箔が原型をとどめていることから、鋭角的な方形状をなしている。

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2020年12月05日

収蔵作品のご紹介:白鳥装飾脚キャンドルスタンド一対

収蔵作品のご紹介:白鳥装飾脚キャンドルスタンド一対
白鳥装飾脚キャンドルスタンド一対
(19世紀|ヴェネチア)

6枚の葉からなる台の上にホローノップ、その上に白鳥が3羽熔着されている。上部は花のような形の受け皿に、壷形の燭台がついていて、全体的にピンクがかったガラスに金箔熔着が施されている。

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2020年11月25日

収蔵作品のご紹介:白鳥形脚フルートグラス

収蔵作品のご紹介:白鳥形脚フルートグラス
白鳥形脚フルートグラス
(19世紀|ヴェネチア)

淡いピンク色の坏身と金色の脚を組み合わせたエレガントなフルートグラスで、主としてシャンパン等の発泡酒やシードル用グラスとして作られている。装飾坏兼パーティ用のグラスである。

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2020年11月23日

収蔵作品のご紹介:龍装飾水差

収蔵作品のご紹介:龍装飾水差
龍装飾水差
(19世紀|ヴェネチア|サルヴィアーティ工房)

龍の装飾がついた水差。アヴェンチュリンのレース・グラス棒と水色不透明ガラス棒を交互に配したレース・グラスで作られている。 脚は金箔熔着したホローノップ、台は坏身と同じパターンで作られている。龍は、無色透明ガラスに金箔熔着、 縦モールをつけて形作られており、 赤い舌、 黄色に黒い目玉がつけられている。龍は装飾的な把手となっている。開口部は外側に、台の縁は底側にそれぞれ折り返してある。


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2020年10月20日

収蔵作品のご紹介:龍装飾コンポート

収蔵作品のご紹介:龍装飾コンポート
龍装飾コンポート
(1880年頃|ヴェネチア)

19世紀イタリアの名門サルヴィアーティ工房は、新しい形式の装飾的なガラス作品を次々に発表して人気を博した。海棲動物と魚のシリーズは、水の都ヴェネチアのガラスにふさわしい雰囲気を備えていることから、人気を博したシリーズの一つであった。

サルヴィアーティ工房では、他に花シリーズの装飾ゴブレットや鳥シリーズの作品なども制作した。現代のヴェネチアングラスに、ドルフィンやドラゴン(龍の落し子)などが多く使われているのは、サルヴィアーティ工房の19世紀後半に作られたこれらのシリーズに由来している。


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2020年09月09日

収蔵作品のご紹介:点彩花文蓋付ゴブレット

点彩花文蓋付ゴブレット
 (1500年頃|ヴェネチア)

ヴェネチアン・グラスの黄金時代に制作された作品のなかで、名品と讃えられた作品。イスラムの華といわれる点彩文様とビザンチン様式の器形の醸し出す独特の雰囲気は、東西文化交流の要所として繁栄したヴェネチアをもっとも象徴的に表現しています。

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2020年09月04日

収蔵作品のご紹介:バラ装飾脚ワイングラス


バラ装飾脚ワイングラス
(19世紀|ヴェネチア)

坏身は、縦モールがつけられ、ねじりながら成形することにより、斜めのラインが作られている。ラインに併せ小ガラス片による草色とピンク色の着色がされている。坏身下部は、突起状と紐状の装飾が、坏身をぐるりと一周囲んでいる。脚部は透明ガラスに金箔熔着で二層に分かれていて、上部は二本の茎がねじれ、坏身の下で左右の先端にバラの花をつけている。下部はホローノップにドラゴン・ステムのような装飾がつけられている。

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2020年08月31日

収蔵作品のご紹介:レース服の少女


レース服の少女 
(19世紀|ヴェネチア)

レースの服を身にまとった女性像。帽子やドレスは白いレース・グラスで作られ、清楚で上品な作品に仕上げられている。ふんわりと広がるドレスの袖やスカートは、女性の愛らしさが感じられる。

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