点彩扁瓶
(16世紀|ヴェネチア)
イタリア語で「ラッティモ」、「ポルチェラーノ」と呼ばれる乳白色ガラス(ミルク・グラス)の代表的作品。16世紀特有のエナメル点彩と金彩が施された扁瓶で、同形式の透明ガラス作品も作られていた。扁瓶や扁壺はもともと聖地の聖水を汲んでくる巡礼瓶にその形式の源流があった。この扁瓶もイスラム・グラスの長頚扁壺の面影をとどめており、同様に点彩、外周のひれ飾りにもイスラムの影響がみられる。
なお、乳白色ガラスは中国の白磁への憧憬から、この頃よりガラス製の模造磁器として盛んに作り出され、後にボヘミアやフランスにおいても制作された。
-ヴェネチア、プラハ、パリ- 三都ガラス物語
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